撮っておけばよかった映像

 前に高知に観光に行ったとき、特に足摺海底館をもとめて竜串を訪ねたときのことだ。竜串の海岸は岩場になっていて、それらの岩は奇妙な形をしているのが少し有名だ。しかし岩の形は今回の関心ではない。

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 岩場にはフナムシが大量にいた。大量にいたといっても、よそと比べて遥かに多いという訳では無くて、見た印象として無茶苦茶いるなと思うほどいたということだ。同程度いる場所はいくらでもあるだろう。フナムシは近づくと一斉に逃げていくからじっくりと見るのは難しい。ただそのときにはその機会があった。
 海岸に1つの小岩があり、その一部は海上に露出し、大半は水中に沈み、周りは海水に囲まれていた。水深は浅く、潮の引いているうちはその小岩の底まで陸になっていたのだろう、その上に1匹のフナムシがいた。岩の周囲は浅いとはいえフナムシにとっては脅威になるほどは深い。幅5,6cm程の水を渡ることが出来れば陸とつながっている岩へと移動できるが、フナムシには困難であるように思えた。潮が満ちればその小岩は海中に沈むだろうから、死を待つばかりだと思いながら眺めていた。
 フナムシは小岩の上をチョロチョロ動き回り退路を探しているようだったが、小岩の全貌が見えている僕にとっては無駄な試みとしか思えなかった。そのうちフナムシは小岩の縁の方へとじりじりと寄っていった。波のタイミングによってはそのままさらわれてしまうほどの場所にまで出ており、危うさを感じながら見ていた。
 それで、この後の記憶がぼんやりしている。最終的にフナムシは波の引いたタイミングを見計らって跳躍し、目標の岩に辿り着いた。それに感心したのは覚えている。しかし跳躍は一発で成功したわけではなく1,2回小さな失敗をしたはずなのだが、それがどのような失敗だったか思い出せない。この経験の肝の部分だと思うのだけれど全然覚えていない。僕にとって貴重なフナムシを凝視できる機会であり、内容もエンタメ性のあるものだったのだから動画に撮っておけばよかった。

 今日は雨が降っていて、明日には台風が来るらしい。風はまだほとんど無い。雨は弱くは無いが、それほど強くもない。それで買い物に行った。道中、ある飲食店の壁にパイプが埋め込まれていて、そこから雨水がどばどばと排出されていた。その光景が面白かったのでしばらく眺めた。通り過ぎた後、あれを撮っておけばよかったという思いが込み上げてきて、それをとっかかりとしてフナムシの事を思い出した。排水の様子は帰り道に動画に収めた。