足摺観光記録 2/3 公園~足摺岬~足摺テルメ~あしずり祭~公園

足摺観光記録 1/3 岡山~中村~四万十川~公園 - アドレナリン』の続き。
続きは『足摺観光記録 3/3 プラザパル~竜串~足摺海底館 - アドレナリン』。

 時計を見ると5時前。睡眠時間は足りないが、この時間になると公園を利用する人も出てくると思い、迷惑になることとトラブルを避けるため起きる。中村駅に行ってみると始発は6時頃からだが駅はもう開いていた。ここまで重い荷物(リュックとバッグ)をずっと持ち歩いていたのでロッカーに一部預ける。昨日の時点でこうするべきだった。
 目的地は足摺海底館だが、足摺岬も観光名所ということでとりあえず足摺岬へと行くことにする。中村から足摺岬まで距離は40km程だが、運賃は1900円かかる。僕は移動距離に比して運賃がかなり高いと感じた。そのため他の移動手段を前日から考えていたが、思いついたのはそこら辺にあったレンタサイクルで移動するというものぐらいだった。しかし野宿明けの体力で自転車を数時間も漕ぐのは無謀だろうと思い、大人しくバスで行くことにする。
 足摺岬行きのバスの始発は8:20でまだ時間があったため昨夜野宿場所を探している間に気になった場所を改めて見て回った。そうするうちに時間になりバスに乗った。どんどん景色は田園へと変わっていく。バス停をいくつか過ぎるうちに中村駅付近で乗った客は徐々に降りてゆき、残るのは僕と他2,3人ぐらいになった。降りる人もなくバス停にも誰もいないため運転手はバス停を飛ばしていく。そうしてしばらく行くうちに、ちらほらとそのあたりに住んでいると思われる人達が乗り込んできた。気づけば7,8人以上は近隣住民が乗っており、彼らは知り合いらしく談笑し始める。彼らが日常における移動手段としてバスに乗っている中、観光目的でバスに乗っていることになにか俗物感を感じすこし気恥ずかしくなった。
 バス内でのエピソードを1つ。途中乗客が増え、席が減ってきた頃お遍路のおじさんが僕の2つ前の座席へと移動した。前の列に来て初めて分かったのだがこのおじさんは臭かった。匂いの種類としては汗をかいて放置した服の匂い。風の流れが前から後ろにあるのだろうか常に匂いが漂ってきてげんなりした。しかし途中で地元民らしいおばあさんが乗り込んできて僕の1つ前の列、つまりおじさんと僕の間の列に座った。おばあさんは新聞にくるんだ樹木の枝(葉はついている)を持っていてそれはとても良い香りがした。この香りはおじさんの悪臭に勝った。その後乗ってくる客の3人に2人程は同じような枝を持っていた。とにかくいい香りなのでなんという植物か名前を知りたいと思ったが、尋ねる勇気がなく叶わなかった。今でも気になる。
 バスが進むうちに景色は田園風景から住宅地へと移った。この地域はバスで通過しただけで詳しく見られていないのだが、窓から眺めるだけでも強いインパクトがあった。集落内の高低差が激しく崖のようになっている部分があったり、よくわからないところに壁があったり、樹木が野放図に伸びまくっていたり(これは高知の多くの場所で感じたことだが)。そこを過ぎると少し山の中に入っていき、更にそれを過ぎると町に出て、清水プラザパル前というバス停で多くの地元民が下車した。パルを過ぎて足摺岬の方に近づいていくと風景はかなり険しい山道に変わった。道も細い。バスは減速して注意深く進んでいく。レンタサイクルで来ていたらここで終わっていた。足摺岬周辺で運転手がアナウンスをする。今は繁忙期で交通規制があるから、足摺岬の近くまでは行くがそこから先に行く場合は臨時のシャトルバスが出ているからそれに乗るようにとのこと。それに従いシャトルバスに乗り足摺岬まで行く。
 足摺岬の観光案内所では紙1枚からなる観光案内を配っていた。それには周辺の名所を記した簡易な地図が載っている。地図に記してある遊歩道に従い、まずは天狗の鼻、灯台、ビロウ自生地(どれがビロウか分からなかった)を見た。海が広大に広がっている様子や崖の表面の浸食の跡、透き通った海は綺麗だった。遊歩道を先に行くと他にも点々といくつか名所があり、それらも一通り見たがあまり印象には残っていない。ただ後半に行くと道のアップダウンが激しくかなり体力を消耗したことは覚えている。
 一通り見終わったのが12時前。前日身体を洗えていないので近くにある温泉に行くことにした。向かったのは足摺テルメ。テルメとは聞きなれない言葉だがテルマエと同一の言葉のようだ。昼間だったため温泉には親子1組しかおらず、その親子もしばらくするといなくなったので貸し切り同然の状態となり存分にサウナと入浴を堪能した。この温泉は脱衣所に冷水機が置いてあり、それが自由に使えるので途中で水分補給をしつつ入浴できるのが良い。
 再び足摺岬周辺に戻る。次は海底館へ行こうと思うが足摺海底館は足摺岬から別に近くないということにここで初めて気付く。足摺と名につくから近くにあると思い込んでいた。バス停の近くの臨時観光案内所(繁忙期のため普段とは異なるところに作られている)の人に海洋館に行くにはどうすればいいのかを尋ねた。海底館ではなく海洋館の場所を尋ねたのは海底館がマイナーな施設であるかもしれないと思ったからだ。その人によれば次の便は50分後。この待ち時間に昼食をとることにする。スマホで調べたところ足摺岬周辺で昼食をとれるところはかなり限られていた。結局、足摺グランドレストという店へ行った。食べたのはサバの漁師漬けというご当地料理。味はまあまあ。昼食をのんびり食べていると意外に時間がギリギリになってしまったので焦ってバス停に向かう。バス停に着くと先ほど海洋館への行き方を尋ねた人が寄ってきた。その人が言うには、海洋館に行くには1度パルに行かなくてはならないが、そのあとパルから海洋館へ行くバスは当分無く次は17:52発のものになるという。海底館の開館時間は17時までなので間に合わない。僕はこの日のうちに海底館を見て高知駅周辺まで戻ろうと思っていた。高知に早く戻りたかった理由は高知駅周辺なら安価な宿泊施設があると思ったからだ。民宿などに泊まると素泊まりでも4000円程度はかかるし、野宿はもう絶対にしたくなかった。しかしそもそもの目的である海底館を見ずに帰る訳にはいかない。もう1日延長して土佐清水にいることにした。
 問題はどこに泊まるかだ。足摺岬周辺で宿泊するのは難しそうなのでとりあえずパルまで戻る。パルに着いたのは15時半頃。パルには戻ったものの昨日の経験からこの時期に予約なしで当日いきなり泊まれる場所はまず無いことはわかっている。つまり十中八九野宿をする羽目になる。となれば問題は如何に野宿をするかだ。一日の経験とはいえ僕も学習したわけで、明るいうちから準備をすることにした。荷物の安全確保と野宿地の確保を目指す。ここで中村駅でロッカーに荷物を預けるときに虫よけスプレーを置いて来てしまったことに気づいたため、勿体ないが近くの薬局に行って安いのを買う。色々と歩き回り野宿場所の候補を見つけた。それは公園にあるコンクリート製の山の遊具だ。その山の下部には筒状のトンネルがありそこで寝られそうだったが、あまりにもベタな野宿スペースのように思え、他の人とバッティングしてしまう恐れがあるため山の上の平たくなっている部分で寝ることにした。高い所の方が虫が少ないと考えたのもある。地面が固いので段ボールを敷こうと考えた。近くにホームセンターがあり、そこで段ボールが売っていることを確認した。しかしすぐには買わない。何故なら段ボールはかさばるためギリギリに買った方がいいからだ。ただホームセンターは20時には閉まってしまうのでそれまでには買わなくてはならない。そこで20時ギリギリに購入して物陰に隠しておくという算段を立てた。次にコインロッカーを探す。駅さえあればコインロッカーは容易に見つかるが足摺周辺には駅は無い。かなり歩き回っても全く見つからない。パルの片隅にロッカーを見つけ、つかの間喜んだものの使用中止となっていた。見つからないまま時間が過ぎ、19時過ぎにホームセンターの近くに再び着いたのでとりあえず段ボールを買い、物陰に置く。ロッカーは見つかる見込みがないので諦めた。
 この日は「あしずり祭」という祭りの日だった。この日に祭りがあることはポスターやのぼりを見て、前日から知っていたが、高知に戻るつもりだったため、行けないと思い、特に気にしていなかった。コインロッカーを探しさまよう途中、祭り会場に向かう多くの人を見た。野宿はもうほぼ間違いないしコインロッカーが見つかる見込みもないのだから、一旦そのことは忘れて祭りに行くことにした。
 祭りの会場には多くの屋台が出ており、人がごった返していた。僕の地元にも似たような雰囲気の祭りがあり、それを思い出して懐かしい気分になった。夕食をとっていなかったので何か食べようと屋台を巡っていると「アイスクリン」という見知らぬ食べ物を見つけた。見た目はアイスクリーム。1つ200円とそれほど高くなく、目新しさもあるので買った。バニラとイチゴの2つの味がありバニラを選んだ。美味しかった。食感はシャーベットのシャリシャリ感とアイスの滑らかな感じが混じった感じ。味はバニラというよりもミルクに近く、それも濃厚なミルクというよりもシャバシャバしたミルクという感じ。薄いミルク飴の味というと近いような気がする。安っぽい味といえばそうだが、僕は気に入った。イチゴ味も食べたいと思ったが甘いものを連続で食べるのはちょっとという気持ちも同時にあったため、一度塩気のあるものを食べてから買うことにした。色々見た挙句イカ焼きを買った。ところどころに屋台同士のの間隔が広い所があり、その空いたスペースに座って食べた。食べながら近くにいる親子の会話を聞き20時から花火大会が始まることを知る。時計を見ると20時数分前。イカ焼きは既に食べ終えていた。何か食べながら花火を見ようと再び屋台をまわる。焼き鳥が美味しそうだったので、買おうと並んでいるとパンという爆発音がして花火が始まる。焼き鳥を買ったらビールも欲しくなったので売っている屋台を探す。ビールを売る屋台はあったがすでに売り切れており、第3のビールしか残っていない。花火を出来るだけ見逃したくないという気持ちがあったため、やむなしということで「麦とホップ」を買った。空いている場所に座って花火を見る。僕の座っていた場所は花火を見るのにベストな場所では無く、花火によっては建物の陰になってしまって見えないものもあった。焼き鳥とビールを食べ終えた後、もっとちゃんと見たいと思い、花火がよく見える位置へ移動した。花火を見ながら祭りの人混みと喧騒のなかにいると、自分の身を置いているこの場が「いいなあ」と思えてきて何故か目頭に涙が少し溜まった。
 花火大会は21時には終わった。花火大会が終わると祭り自体も終わるようだった。屋台が閉まる前にアイスクリンのイチゴ味を買った。これも美味しかった。これもイチゴの味というよりは「イチゴ味」の味。
 祭りが終わったため野宿予定地に向かおうと思ったが、祭りから帰る人の往来が激しかったので落ち着くまで待つことにした。待っている間歩き回っていると人気の無い公園を見つけた。そこに寝転がれそうな石の段があったので横になって目をつむっていると、少し寝ていたようで22時になっていた。この頃にはもう人もいなくなっていたので、段ボールを隠しておいた場所へ行き、取り出した。輪になっている部分をちぎって帯状にし蛇腹状に折りたたむと割とコンパクトになった。それを小脇に抱えて野宿予定地に向かった。段ボールを敷き、虫よけスプレーを自分と段ボールにかけた。寝ようと横になるがやはり不安だった。それでも少しは眠れて起きると0時。起きると結構蚊に刺されていた。虫よけスプレーが前回のものより弱いのかもしれない。再び寝ようとしばらくトライしたがどうしても蚊が寄ってくるので断念した。1時頃。眠れる場所を探した。1時間程歩き回るうち、この町はこの時間帯に屋外に全く人がおらず、きな臭いような場所も特に無い、つまり安全だと感じた。もう細かいことは気にする必要はないという気になり、少し広めの通りに面した公園のベンチに段ボールを敷いて寝た。周囲から丸見えだが気にすることはない。そこで90分ほど寝た。こっちでも起きると蚊に刺されていた。

写真
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足摺岬。四国最南端。
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天狗の鼻。良い景色。
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あしずり祭。準備中の様子。
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アイスクリンの屋台。赤い布に「高知県公認」と書いてある。
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アイスクリンその2。左手の筒状の大きな容器にアイスが入っている。
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祭り会場、翌朝方。既に撤収済み。
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山の遊具。